※平行ニコルの顕微鏡写真:全て偏光の振動方向は画像の左右方向(⇔)
オケルマナイト akermanite Ca2Mg(Si2O7)
〜ゲーレン石gehlenite Ca2Al(AlSiO7) [戻る]
正方晶系 一軸性(+) ω=1.632 ε=1.640 ε-ω=0.008
形態:不定形粒状のほか,正方形〜長方形の自形をなすことがある。
色・多色性:無〜淡黄色。多色性はない。
消光角:正方形〜長方形の自形のものはその辺に平行に直消光する。
伸長:定義されない。
へき開:ほとんど認められない。
双晶:認められない。
累帯構造:オケルマナイト〜ゲーレン石は幅広い固溶体を形成するが,光学的にはその累帯構造はあまり認められない。
産状 アルカリ火山岩中にネフェリン,エジリン,長石類,チタンに富むアンドラダイト,燐灰石などと共生する。また,ゲーレン石の端成分に近いものは高温スカルンにスパー石・ティレー石・ペロブスカイトなどと共生して粗大な直方体の自形や塊状で産する。 |
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高温スカルン中のゲーレン石 Geh:ゲーレン石,Pv:ペロブスカイト,And:アンドラダイト 高温スカルンにはゲーレン石が塊状で産し,偏光顕微鏡下では不規則粒状で等粒状組織をなすが,時に中央のような長方形の自形も見られる。干渉色は1次の灰〜クリーム色程度で長石に似る。しかし,屈折率がやや高いので平行ニコルでは粒界や内部の割れ目が明瞭。クロスニコルでは1軸性正号で,双晶は認められない。ベスブ石とは,ゲーレン石が正号結晶であり,異常干渉色が認められない点で区別できる。 なお,高温スカルンのゲーレン石は後退変成作用により,透明度の悪いもやもやとした偏光顕微鏡では同定不能な加水グロッシュラー・備中石・ベスブ石などの微粒集合体に変わっていることも多い。 |